PRの定義とは?プロモーションの違いや仕事内容・企業が行うPRのポイントも解説
PRとは、企業とステークホルダーの関係をより良いものにするための活動です。PRと広告や広報を混同している人もいるようですが、PRには明確な定義があり、広告などとは異なります。この記事では、企業のPR担当者に向けて、PRの定義や仕事内容、PRを行う際のポイントなどについて解説します。ぜひ参考にしてください。
PRの定義
そもそもPRとは何なのでしょうか。ここでは、PRの定義について詳しく解説します。
PR(パブリック・リレーションズ)とは
PR(パブリック・リレーションズ)は、「Public Relations」を略した言葉です。PRには明確な定義があり、国際PR協会とアメリカPR協会の2つの団体によって、定義が発表されています。発表している団体は異なりますが、考え方としては類似しており、組織と組織をとりまくステークホルダーとの良好な関係を築くための行動や考え方とされています。
国際PR協会によるPRの定義
国際PR協会による定義では、「信頼できる倫理的なコミュニケーション手法を通し、組織と組織をとりまく公衆との間に関係と利益を築くため、意思決定の管理を実施すること」となっています。
アメリカPR協会によるPRの定義
アメリカPR協会では、PRを「組織と組織をとりまく公衆との間の、相互に利益のある関係を築く戦略的コミュニケーションのプロセス」と定義しています。
日本におけるPRとは
PRは、アメリカから導入された概念です。第2次世界大戦後の1940年代後半に導入されたもので、導入当時には行政では「広報」民間では「PR」と呼ばれていました。しかし、PRは宣伝などの意味で使われることが多くなり、本来の意味とは離れた使われ方をされるようになったため、本来の意味がわかりにくくなっています。
PRとプロモーション・広報・広告の違い
PRと混同しがちな言葉として、プロモーションや広報、広告が挙げられます。以下では、それぞれの違いについて解説します。
プロモーションとPRの違い
「PR=プロモーション」と勘違いしている人も少なくありませんが、これらは異なるマーケティング活動です。PRは、自社の商品を顧客に宣伝することで理解を深めてもらい、長期的な信頼関係や良好な関係を築くものです。
一方、プロモーションは自社商品やサービスの特徴、強みをアピールし、販売促進活動をすることを指します。このように、PRは顧客との関係構築、プロモーションは売上を向上させることを目的としているという違いがあります。
広報とPRの違い
広報とは、PRに含まれる概念です。しかし、広報は企業から消費者などに対して一方的に行われる情報発信という意味合いがあります。情報を発信するためのプランを立案したり、プランを実行したりする過程で、ステークホルダーとの関係を構築します。
一方、PRは企業と企業をとりまくさまざまな関係者と双方向のコミュニケーションを取るものです。PRでは、関係者とどのような関係を築きたいのかを軸として、さまざまな手法でコミュニケーションを取ります。
広告とPRの違い
広告とは、テレビや雑誌、Webなどの有料のメディアを用いて行うもので、企業の意向に沿って商品やサービス、アイデアなどの宣伝、紹介を行います。広告の場合は、企業の意向に沿って行われるため客観性が低く、信頼されにくいケースもあるようです。
一方、PRの場合には、PRを行った結果としてメディアに情報が紹介されるため、客観的な情報とみなされ、信頼性が高まる特徴があります。
PRの仕事
PRではそのような業務を行うのでしょうか。以下では、PRの詳しい仕事内容について解説します。
現状を分析する
まずは、自社や自社製品が置かれている状況、現状などを分析します。状況を把握せずにやみくもにPRしても、効果的なコミュニケーションが難しく上手くいきません。そのため、PR活動を行う前に必ず自社の現状を把握・分析しましょう。そのうえで、自社にどのような課題があるのかを洗い出すことが重要です。
目標を設定する
自社や自社製品などの現状を把握し、課題の洗い出しが終わったら、ターゲットを設定します。誰に向けてPR活動を行うのかが明確になっていなければ、効果的なコミュニケーション方法が設定できません。また、測定可能な目標設定を行うことも重要です。客観的に測定できる目標ほど成果を分析しやすいため、主観が入り込み過ぎないように気をつけましょう。
戦略を立てる
ターゲットや目標設定をしたら、PRの戦略を立てます。ターゲットとの効果的なコミュニケーション方法を分析・検討し、戦略を立案しましょう。また、どのようなチャネルを使うかも検討します。ターゲットによってよく使うチャネルは異なるため、さまざまな方向性からコミュニケーションを取れるように、じっくりと検討しましょう。
細かな戦術を決める
プランを実行するために、具体的な戦術を決定します。現代ではさまざまな情報があふれているため、いかにターゲット層の共感を得られるかが大切です。戦術を決める際は、テーマやメッセージ性、ストーリーなどの検討から入ります。そのうえで、ターゲット層の感情に訴えかけて良好な関係が築けるかを考慮し、細かな戦術を決めましょう。
成果を分析する
細かな戦術を決めて実行した後は、必ず成果の分析を行いましょう。PRは一度行って終わりではなく、成果を分析して次の活動につなげることが大切です。PRの成果とは、ターゲットの意識に変化が起こったのか、売上が上昇したのかなどで測定できます。結果を分析して、改善点を見つけ、PDCAを回していきましょう。
近年のPRに見られる特徴
近年のPRではどのような特徴が見られるのでしょうか。ここでは、近年のPRの特徴を3つ解説します。
ストーリー性を重視する
近年では、ストーリー性を重視する傾向が強くなっています。実際に、元CEOのスティーブ・ジョブズがAppleの新商品発表会で「我々は世界に風穴を開けるためにこの会社を作った」と発言し、話題になりました。このように、人々が共感するようなストーリーを発信することは、熱狂的なファンづくりにもつながるため、非常に大切です。
時代の流れを読む
スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫氏は、必ず身近な存在から着想を得ていると語っています。歴代の主要なキャラクターには身近なモデルが存在しており、スタジオジブリの核ともいえる部分です。個人の深いテーマの中に、人々のニーズが転がっているという考え方を大事にしており、受け手目線での作品作りを大事にしています。
消費者インサイトを言語化する
消費者インサイトとは、消費者本人が気づいていない行動や動機、意識のことです。無意識に感じているものであるため、捉えるのが難しいとされています。消費者インサイトを捉え、言語化することにより、他社との差別化や自社のファンを増やすことが可能です。潜在的なニーズを探るためには、行動観察調査やインタビュー調査などを用いたリサーチが有効です。
PRは外注が有効
PRは自社で行っても構いませんが、外注することも有効です。ここでは、外注するメリットを3つ解説します。
1.客観的な視点で会社やサービスを見られる
PRを行う場合には、客観的な視点で企画を立てられる能力や、企画をメディアに提示できるスキルが求められます。しかし、自社でPRを行う場合には、自社の考えやアイデアに囚われがちになり、客観的な視点を持ちにくいでしょう。外注することで、第三者視点からのアドバイスなどが受けられるため、今まで気づかなかった魅力に気づけます。
2.PRのノウハウを学べる
PRは、専門性の高い仕事のため、ある程度の経験やノウハウがなければ、成功に導くことが難しいでしょう。社内で担当者が変わる場合でも、ノウハウの引き継ぎは難しく、スムーズに対応できないケースもあります。PRを外注すれば、スピーディーに広報・PR活動が行えますし、より効果的な施策が可能です。
3.人手をかけずにPRができる
人手が足りない企業の場合、新たにPRにリソースを割くと大きな負担となり、その他の業務に支障をきたすケースもあります。その点、PR会社に外注すれば、自社のリソースを割く必要がありません。企画から実行までを現状のリソースのまま行うことができるため、社員をより重要な業務にあたらせることができます。
PR会社の選び方
PR会社を選ぶ際には、以下で解説する3つのポイントを意識しましょう。
PR会社の得意な分野は何か
PR会社によって、対応する業種の範囲が異なるうえ、得意なPRの方法や強いメディアなども違います。ミスマッチを防ぐためにも、まずは自社がどのようなPRを行いたいのかを明確にしましょう。そのうえで、複数のPR会社を比較して、自社が求めるPR方法を得意としている会社、自社に合う会社を探します。
課題に応じた戦略を立案してくれるか
PRの目標は、企業によって異なります。たとえば、ブランディングや自社の認知度向上、ステークホルダーとの良好な関係の構築など、目的によって適した戦略は変わってきます。そのため、課題解決につながる戦略企画を立案し、実行できるかどうかを重視しましょう。具体的な戦略のないPR会社は避ける方が無難です。
信頼関係が築けるか
PRの成果を出すためには、PR会社との信頼関係を構築することが重要です。外注だからといって、すべてを任せっきりにしてしまうと上手くいかない可能性が高くなります。そのため、PRやメディアに露出する目的を明確にし、担当者とPR会社で目的意識や課題解決の意識を共有することが重要です。
まとめ
PRとは、企業と企業をとりまくステークホルダーとの良好な関係を築くための行動や考え方のことです。PRは自社で行うことも可能ですが、リソースやノウハウがない場合は外注するのも効果的です。
メディチョクは、脱属人化・工数削減・可視化が可能で、低コストで広報3年目位の人を雇うのと同等のバリューを出せるサービスです。16年間のノウハウで培ったメディア企画力があり、高いマッチング率を誇っています。また、チャット機能で直接メディアとのやりとりが可能です。効果の高いPRを実施するためにも、ぜひお問い合わせください。